自由連想法とは?カウンセリングのやり方や基本規則、日常での活用事例を解説

2020-12-15

自由連想法とは、ある言葉が与えられたときに自分自身の心に浮かんだ自由な考えを連想していく方法のことです。今回は、この自由連想法とは何かやその背景、特徴、自由連想法の活用事例、自由連想法を学べる本をご紹介します。

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自由連想法とは

自由連想法は、精神分析の創始者として知られているジークムント・フロイトによって、精神分析の技法の一つとして考案されました。まずは、フロイトによる自由連想法とこの技法が考案された背景についてご紹介します。

フロイトによる精神分析の技法・自由連想法

フロイトが定義している自由連想法は、心の中に浮かんだことを率直に語ってもらうことをクライアントに要求しています。例えば、「就職しようか、進学しようか迷っている」といった将来への不安や「このセラピストは、〇〇だ」といったセラピストに失礼な発言でも、思い浮かんだ発言は、全てセラピストに伝えなければなりません。

そのため、クライアントがどれだけ自分自身の心と向き合っているかというクライアントの誠実さが求められる精神分析と言っても過言ではないです。

自由連想法の背景

フロイトにおける自由連想法とは、全額法というフロイトが初期に行っていたカウンセリング術を研ぎ澄ましたものです。

全額法とは、クライアントの額に手を当てて、忘れられている記憶を強制的に思い出させる技法であり、自由連想法という技法が作られた当初は、フロイトの精神分析をする際によく用いられていた技法でした。

全額法を行っていた当時は必ずクライアントに「こうしている間に今まで忘れかけていた思いなどが、目の前に見えたり思い出したりすることがあるはずです。どんなことでもいいので、思い浮かんだことは必ず話してください。」と伝えておきます。

しかし、フロイトのクライアントの中にも「全額法をやったことでもっと自由に思い返すことができない」と訴えてきた人もいたため、それから試行錯誤してできたのが自由連想法なのです。

自由連想法のカウンセリング

自由連想法は、カウンセリングによく用いられる精神分析の一つとして知られています。自由連想法で行われるカウンセリングの基本規則や特徴をご紹介します。

基本規則

自由連想法のカウンセリングの基本としては、まず、クライアントに横になってもらって自由連想法を行います。

そこで、セラピストはクライアントから見えない位置に座ってひたすら頭に浮かんだことを離すように誘導します。例えば、昨日のご飯の話だったり、クライアントの友人の話であったり話す内容は何でもいいです。

何を離そうかなんて考えてもらう必要は全くなくて無意識に頭に浮かんだ言葉をポンポン話しもらいます。

例えば、愚痴を友人に聞いてもらうとスッキリした経験もあると思いますが、それと同じで何か原因不明の頭痛がするとしても自由連想法を使うことで自分自身では意識をしていなかった原因を吐き出すことができます。

自由連想法の特徴

自由連想法の特徴として挙げられるのは、自然に行われる場合があることです。他の心理療法の場合は、自然に行われることはほとんどなく、セラピストがクライアントに対して適切なカウンセリングをして初めて効果があります。

しかし、自由連想法の場合は、クライアントがセラピストを信頼しているときに限り夢の中で無意識に自分が今感じていることや思っていることを自然に連想してしまうこともあります。

自然に自由連想法を行わないように余り物などが少ないシンプルなデザインな部屋にクライアントを呼んで分析をしてみるのがオススメです。

そこで、分析を行う際に「自由に話して」などシンプルな言葉をかけてクライアントが思ったことや連想されたことを率直に口に出してもらってその言葉からセラピストが分析するというのが本来の自由連想法なのです。

自由連想法を自分で行う方法

自由連想法は基本的にカウンセリングを行っているカウンセラーが行うものです。ただ、自分自身で行うこともできなくはありません。自由連想法を自分で試してみたいという方は参考にしてみてください。

自由連想法のやり方

自由連想法を自分で行う方法として、まずボイスレコーダーで自分の普段の行動・言動を記録します。

そして、その時の感情や想いを忘れないうちにボイスレコーダーを再生します。そして、その時の自分の言動などを聞きながら、「この時の自分はこういう風に考えていたな…」という感情を思い出していきます。

その当時の感情や想いを紙に書き出し、その感情や想いを分析します。

日常生活における自由連想法の活用事例

自由連想法はカウンセリングの技法の一つですが、実は、日常生活の中でも活用することができます。その活用法の一つがマーケティングです。

マーケティングに自由連想法をどのように活かすことができるのか、実際の活用事例についてご紹介します。

マーケティング

自由連想法の活用事例として代表的なものは、マーケティング調査です。

通常のマーケティング調査の質問の場合、「春にどのようなイメージを持っていますか?1~8まで選択してください」とあります。

しかし、回答を多数の選択肢から選ばなければならないため、回答者が負担を感じてしまう場合があります。その上、質問項目が多いため、時間がかかってしまい結果的にあまり回答者が集まらないといったことが生じます。

その対策として取り入れられるのが、自由連想法です。

マーケティング調査に自由連想法を取り入れた場合、「この商品に対する意見はありますか?」という質問項目に対して自由連想法を用いて回答してもらいます。この場合、回答するのにあまり時間がかからないため、回答者を集めることが容易になります。結果の集計や分析に時間がかかるという点はありますが、多くの回答者を集めることで、より正確なマーケティング分析を行うことができます。

自由連想法について学べる本

自由連想法について学べる本を2冊ほど紹介します。

自由連想法による唯一無二の小説「自由連想法による文章練習シリーズ 」

このシリーズを一言で表すならば、自由連想法を用いて作成した小説です。

他の小説は、何かしらのストーリー展開があって物語が進んでいきますが、この小説は一切そのようなものはありません。

自由連想法を用いて作成した小説のため、頭に浮かんだ物事や記憶、目についた物事を自由に書き連ねる実験小説なのです。この小説は、1巻から19巻があるためそれぞれ異なったストーリーを学ぶことができます。

句読点などが一切なく読みにくく感じる人はもちろんいると思いますが、それがまたこの小説の良さでもあります。

実際に自由連想法とは何かといったことを学べる内容の本ではないですが、小説を読んでいく中で、「自由連想法ってこういった精神分析なんだ…」と学べますので、オススメです。

精神分析とは何なのか?「精神分析的人格理論の基礎ー心理療法を始める前に」

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この本は、自由連想法に限らず、精神分析の基礎をしっかりと学びたいという人にオススメの本です。

著者である馬場 禮子さんは、「いくつかの大学院で講義を行った際の原稿を参考にしてこの本を作った」と語っており、この本を読むことで大学院生にならなければ学ぶことができないような知識が1,349円で学べます。精神分析を学びたいと考えている人は購入したほうがよいでしょう。

精神分析の初心者にもわかりやすいように記載されているため、ぜひ読んでみてください。

精神分析においては欠かせない存在の自由連想法

精神分析をする際には、自由連想法はなくてはいけない存在であることは理解していただけたでしょうか?

自由連想法は、精神分析やカウンセリングにおいてよく使われる技法ですが、自分自身で行うことができる技法であるということを知り、驚かれた方も多いと思います。

自分自身で体験してみることが一番の勉強になりますので、この記事を読み終えたら一度自分自身で自由連想法を体験してみることをおすすめします。

参考文献

岡村裕美子(2019)精神分析における治療関係のあり方を概観する,京都大学大学院教育学研究科付属臨床教育実践研究センター紀要,22,55-65

菊池民子(2002)読解前活動としての自由連想法の効果,言語文化と日本語教育,23,13-24

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    • この記事を書いた人

    yasusho

    はじめまして。 20歳男で大学生です。 大学で、社会心理学について専攻しており 主に、社会心理学を中心とした心理学関係の 情報発信を行っています。

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