発達心理学をわかりやすく学べるおすすめの本13選|乳幼児・子どもから生涯発達まで

2020-12-05

発達心理学というと、赤ちゃんが次第に成長していく様子を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

実は発達心理学で扱う分野は、赤ちゃんや子どもから高齢者まで、人間の生涯全般に及ぶ壮大なものなのです。

今回は、広域にわたる発達心理学を学びたい人向けにおすすめの本を紹介していきたいと思います。

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目次

わかりやすい発達心理学の本を紹介

みなさんは、なぜ発達心理学を学んでみたいと思われたのでしょうか?保育や教育の仕事に活かしたい、子育ての悩みを解決したい、資格取得の勉強のため、今の自分の心についての理解を深めたい、など様々でしょう。

発達心理学は心理学の中で基礎心理学として位置づけられます。しかしその内容は、教育心理学や臨床心理学といった応用心理学に大きな影響を及ぼすものです。自分の生活から興味を持ちやすい本から読み始めてみると良いかもしれません。

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発達心理学を勉強したい人におすすめの本ランキング7選

まずは、初心者でもわかりやすく学べる発達心理学の本をご紹介します。発達心理学の知識があり、さらに深く学びたいという方におすすめの本も選出していますので、参考にしてみてください。

ビジュアルで気軽に理解しやすい「史上最強図解 よくわかる発達心理学」

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最初の数ページにはカラー漫画で、気軽に手に取りやすい工夫がされています。胎児期から幼児期を中心に、身近なテーマが見開き2ページにまとめられています。

「笑うのは楽しいからではない?」(生理的微笑)、「人見知りは強い愛着の裏返し?」(愛着の発達)など、これからパパ、ママになる人、子育て中の人、乳幼児に関わる仕事をしている人などに興味の持ちやすいテーマが、可愛いイラストと共に散りばめられています。

「発達ルポ」として、ADHD(注意欠陥・多動性障害)やLD(学習障害)などの発達障害や、不登校や摂食障害などの問題もイラスト入りでわかりやすく解説されています。

子どもの発達について関心を持ち始めた方が、楽しみながら気軽に発達心理学と出会える1冊です。

日本発達支援学会理事長・本郷一夫氏も執筆「臨床発達心理士 わかりやすい資格案内」

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2002年から認定が開始された臨床発達心理士の役割、資格取得方法、資格取得後の活動などについて書かれています。医師にもその専門性があるように、心理師にも専門性があります。発達障害、虐待、いじめ、不登校、引きこもり、介護など、臨床発達心理士の需要は益々高まっています。

臨床発達心理学について理解を深めたい方におすすめの1冊です。

見開き2ページごとが読みやすい「面白くてよくわかる!発達心理学」

発達心理学とはどういうものかに始まり、心と体の発達のメカニズム、人間らしさの獲得、コミュニケーション力の発達、知力の発達などを見開き2ページごとのテーマに分けてまとめられています。

発達心理学の基礎知識だけではなく、「共働きは子育てにマイナスか」「いじめにあいやすい子の特徴」「ゲームは心と脳の成長を阻む?」という子育て中の親にも読みやすく興味の持ちやすいテーマも散りばめられています。

発達障害についての章もあり、注意欠陥・多動性障害、学習障害、アスペルガー障害などが図と共にわかりやすくまとめられています。

青年期以降については1つの章にまとめられており、アイデンティティの確立から恋愛、結婚、子育て、定年、介護等幅広いテーマが簡潔に解説されています。

発達心理学を日常生活にも実践できるように記載された、初学者におすすめの本です。

キーワードで発達心理学をマスターできる「キーワードコレクション 発達心理学」

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発達心理学における重要なキーワードを50に厳選し解説がなされています。発達心理学の研究法、発達の理論的諸問題、誕生から幼児期まで、児童期、思春期・青年期、成人期から老年期までに分けられており、興味のあるキーワードから読み進めていくことができます。

人名索引と事項索引もあるので、授業や受験勉強にも便利です。文字だけでなく、適宜論文から図や表が抜粋されているので、自然に論文に親しむことができるでしょう。

脚注も各ページにあるので、理解を深めながら読み進めていくことができます。

発達心理学の世界を味わいたい人へ「いちばんはじめに読む心理学の本③ 発達心理学 」

読みやすい文章ではありながら、専門用語もしっかり使いながら発達心理学の世界を丁寧に案内してくれる本です。

各章の終わりにはサマリーと参考文献だけでなく、さらに学びたい人向けの文献も紹介されています。そのため、この本をきっかけにさらに発達心理学の世界を深めていけるステップアップが出来る仕組みとなっています。

発達心理学の中で、さらに理解を深めたい分野を見つけて行きたい方に最適な1冊です。

A4サイズで図表も大きく「やわらかアカデミズム<わかる>シリーズ よくわかる発達心理学」

珍しい大判サイズの発達心理学の本です。大学の新入生やこれから心理学を学びたい高校生でも分かるように書かれています。興味のあるテーマから読み始めることができます。

各ページに注があり、用語や研究について理解を深めることができるようになっています。

巻末には42名の執筆者の写真と発達心理学を学ぶ読者へのメッセージが載っています。

カウンセラーから見た発達心理学「<子どもとファンタジー>コレクションV  大人になることのむずかしさ」

心理療法家の河合隼雄氏が、青年期前後の人がつまづきを経験しながら大人になっていく過程を描かれた本です。つまづきは発達の過程ではなくてはならないものですが、当人や家族にとっては辛いことも多いでしょう。

青年期特有のつまづきとその意味について、河合先生の温かい視点で書かれています。臨床心理学と発達心理学が融合され、臨床発達心理学という分野がイメージされる本です。

幼児・子どもの発達について学びたい人におすすめの本

次は、幼児や子どもの発達についてより詳しく学びたいという方におすすめの本をご紹介します。

娘のことをもっと知りたいパパへ「パパのための娘のトリセツ」

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講談社
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女性は、妊娠出産を通して心身共にママになる準備をしやすいのに比べ、男性は準備をしないとある日突然パパになってしまいます。

そのまま仕事の帰りが遅かったりすると、気がついたら娘との間に溝が出来ていたり…。発達心理学を学ぶことで、「パパ、あっち行って!」という娘の発言にも動じずにいられるかも?

愛着理論や自尊感情などの発達心理学のキーワードも学びつつ、娘の発達段階に応じた適切な言葉がけも学べる本です。

わかりやすい放送大学の教材「新訂 発達心理学概論」

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発達心理学を初めて学ぶ人向けにわかりやすく書かれた本です。乳児期から老年期までを扱ってはいますが、特に乳児期から児童期までが丁寧に解説されています。乳幼児期の発達の基礎であるアタッチメントについても、その研究方法であるストレンジ・シチュエーション法と共に、図入りでわかりやすく書かれています。保存課題、誤信念課題、三つ山問題なども論文を元にした図でわかりやすく説明されています。

わかりやすい入門書でありながら、発達心理学をしっかり学べるおすすめの1冊です。

保育士・幼稚園教諭・小学校教諭を目指す方におすすめ「ベーシック発達心理学」

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「保育士養成過程、教職課程の要件を満たしつつ発達心理学の基礎が学べる」本です。保育士試験の頻出語句を中心にキーワードをゴシック体で表示するなど、試験対策にも有用です。

発達心理学の内容を、具体的な子どもの支援と繋げて学べる魅力的な1冊です。

生涯発達について学びたい人におすすめの本

発達心理学で扱う分野は人間の生涯全般に及びます。ここでは、生涯発達についてより詳しく学びたいという方におすすめの本をご紹介します。

生涯発達心理学の入門書「人間関係の生涯発達心理学」

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生涯発達心理学を初めて学ぼうとする学部学生などを想定した本書は、事例も取り入れながら基本が分かりやすく学べるようになっています。コラムも「出生前診断とわたしたち」という最新のテーマから「NICUの赤ちゃんの人間関係」「SNSと思春期」など興味深い内容を取り上げています。

高齢期については、前期高齢期・後期高齢期・超高齢期と3章に渡り解説されています。「認知症の自分と出会う」という項目には、生涯発達心理学と向き合う著者の思いが現れています。

高齢期の発達心理学を学びたい方へ「老いのこころ 加齢と成熟の発達心理学」

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「高齢期の発達心理学」という専門分野に特化した本です。

老いと死という高齢期の発達課題について、その課題を共に生きる家族や援助者にも光を当てています。人間の発達課題は、乳幼児期から高齢期までを通して、常に共に取り組む人が存在する事を実感できる章です。

携帯にも便利な有斐閣アルマシリーズ「生涯発達心理学 認知・対人関係・自己から読み解く」

コロナや震災などで、喪失体験をする人が少なくない現代。大切な人や物を失うということすら、発達の過程であるという考え方は、私達に希望を与えてくれるでしょう。発達をより大きな視点で捉えられるようにしてくれる1冊です。

発達心理学の本はさまざま

今回は、発達心理学の本を紹介してきました。読んでみたいと思う本は見つかりましたか?

発達心理学は、お腹の中にいる時から死ぬまでという、人間の一生を扱う心理学です。ですから、発達心理学を活かせない人間の活動はないと言っても良いくらいです。

まずは、自分や身近な人が今どういう発達段階にいて、どのような発達課題と向き合っているのかを考えるのも、理解を深める1つの方法です。

そこから、乳幼児期、児童期、青年期、成人期、高齢期と、自分が経験していない発達段階にいる人の理解へとつなげていけると良いですね。

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    • この記事を書いた人

    こころ

     臨床心理学・実験心理学等を学んだ後、心理カウンセラーとして勤務。現在はライターとして活動中。

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