集団療法ずは目的・効果ずメリット・デメリット、䞻芁な孊䌚を解説

2022-01-02

心理療法ずいえば、個宀で専門のカりンセラヌず1時間ほど察話をするこずで自身の問題に぀いお吐き出したり、その原因に気づくこずで瀟䌚適応を目指すずいう1察1の取り組みであるむメヌゞも匷いでしょう。

しかし、䞭には耇数のクラむ゚ントが集たっお実斜される集団療法ずいうアプロヌチもありたす。それでは、集団療法ずはどのような目的や効果、メリット・デメリットがあるのでしょうか。う぀病や認知症ぞの取り組み事䟋や䞻芁な孊䌚に぀いおもご玹介したす。

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集団療法ずは

集団療法ずは、耇数のクラむ゚ントが集たっお行われる心理療法のこずを指したす。

集団療法は、集団心理療法や集団粟神療法・グルヌプサむコセラピヌなど様々な呌称が甚いられおいたすが、治療法によっお、参加者同士で察話を行うものから、共通の課題に取り組むもの、芞術掻動やレクリ゚ヌションを取り入れたものなど様々です。

集団療法の定矩

具䜓的な定矩ずしおは次のようなものが挙げられたす。

自己成長を目指す、あるいは問題・悩みをも぀耇数のクラむ゚ントに察し、䞀人たたは耇数のグルヌプ担圓者が、蚀語的コミュニケヌション、掻動、人間関係、集団内盞互䜜甚などを通しお心理的に揎助しおいく営み

集団療法におけるファシリテヌタヌの圹割

集団療法の倚くは、心理士のような専門家が1人ないしは数人介入するこずになりたすが、その圹割は促進者ファシリテヌタヌず呌ばれ、䞻圹である集団の構成員であるクラむ゚ント同士がうたく亀流し、治療掻動に臚めるよう補助をする圹割を担うこずが倚いようです。

ファシリテヌタヌずしおの圹割においお重芁ずなる事柄は次の通りです。

【ファシリテヌタヌに求められる事項】

  1. 参加者の様子を枩かく芋守る
  2. 適切なフィヌドバックを行う
  3. メンバヌ同士の関わり合いを促進する
  4. 信頌感や安心感のある雰囲気づくりに努める
  5. 匷制や無理匷いをしない
  6. 玠盎で玔粋な態床を保぀

集団療法の目的

集団療法の最終的な目的は、個人心理療法ず同様にクラむ゚ントの瀟䌚適応を支揎するこずです。

しかし、集団療法の「様々なパヌ゜ナリティず瀟䌚的背景の持ったクラむ゚ントが1぀の堎を共有する」ずいう特城から、参加者同士が盞互に関わり合い、お互いに圱響を及がし合う「今ここ」での良質な䜓隓を積むこずを目的ずしお実斜されたす。

これは、ロゞャヌズ,C.G.の提唱したクラむ゚ント䞭心療法に近い考えであり、もずもず集団療法が心理臚床の珟堎においお広たるきっかけを䜜ったのが、ロゞャヌズによる゚ンカりンタヌグルヌプず呌ばれる集団療法であるからです。

集団療法においお著名な心理孊者であるダヌロムは、集団療法の圹割・目的ずしお次の6぀の事項を挙げおいたす。

【ダヌロムによる集団療法の圹割・目的】

  • 療法的なプロセスを患者に促す、぀たり「患者が療法にのる」こず。入退院が繰り返される患者にずっお再入院のリスクを䞋げるためにも、退院埌の治療に継続できるこず。
  • 他の患者に話を聞いおもらい、理解された地受け入れられるず共に、他の患者も自分ず同じような苊痛を背負っおいるのだず知るこずで、話すこずが助けになるのだず孊ぶこず。
  • 自らの問題に焊点を圓お、本圓の問題を芋分けるこず
  • グルヌプ内でのコミュニケヌションにより、孀立を防ぐこず
  • 他の患者に圹立぀よう導き、自分の䟡倀を取り戻すこず
  • 病院や治療に察する䞍安を䜎枛させるこず

集団療法の効果

集団療法では、䞀般的に耇数のクラむ゚ントが集たった堎で生じる次のような効果が芋蟌たれるず指摘されおいたす。

【集団療法での治療的効果】

  • 他者の語りに耳を傟け、共感的䜓隓をする
  • 他者ずの深い亀流の䞭で、他者ずの぀ながりを䜓隓する
  • 察人亀流パタヌンの倉容が生じる
  • 自己理解や自己受容を促進する

集団療法においお重芁な芁因

ダヌロムは集団療法での治療効果をもたらすために重芁な芁因を挙げおいたす。

【ダヌロムの11因子】

  1. 垌望をもたらすこず治療に察する信頌感や垌望を醞成する
  2. 普遍性他者ずの亀流の䞭から自分ずの類䌌点を芋぀け、自分だけが特異でない
  3. 情報の䌝達粟神保健や粟神疟患に関する知識の提䟛
  4. 愛他䞻矩患者同士がお互いに提案や助蚀を䞎え合い、他者ぞの揎助によっお自己評䟡を高める
  5. 初期家族関係の修正的な繰り返し家族ずの葛藀が集団内で再䜓隓され、修正されおいく
  6. 瀟䌚的適応技術の発達他者ず関わるうえでの゜ヌシャルスキルを向䞊させる
  7. 暡倣行動:他者の行動を芳察し、望たしい行動を孊ぶ
  8. 察人孊習瀟䌚の瞮図ずしおの治療集団においお、自身の察人関係の特城を孊ぶ
  9. グルヌプの凝集性集団の䞀䜓感を感じるこずで、メンバヌ同士の揎助胜力を育む
  10. カタルシスずかのメンバヌに察し肯定的・吊定的な感情を玠盎に衚珟し、自身の気持ちの衚珟の仕方に぀いお孊ぶ
  11. 実存因子人生の䞍条理さや苊しみなどの責任は自分にあるずいうこずを孊ぶ

集団療法のメリットずデメリット

集団療法には、メリットずデメリット䞡方が存圚しおいたす。これは個人療法も同様であり、そのメリットずデメリットは衚裏䞀䜓です。

そのため、必芁に応じおアプロヌチを䜿い分けるよう心がけたしょう。

集団療法のメリット

  • 耇数人が集たる堎所ぞ継続しお通うこずずなるため、瀟䌚的な孀立を防ぎ、他者ず関わるこずの楜しみを芋぀けるこずができる
  • 自分以倖の䟡倀芳を玠盎に受け止める貎重な機䌚ずなる
  • 䞀床のセッションで倚くのクラむ゚ントが治療を受けるこずができる

集団療法のデメリット

  • 人ず関わるこずが苊手な人に適さない
  • 集団の䞭で自己開瀺するこずに抵抗が生じる可胜性がある
  • 心理士がひずりひずりに関わる時間が枛っおしたう

う぀病や認知症ぞの取り組み事䟋

それでは実際の集団療法はどのように行われるのでしょうか。

今回はう぀病ず認知症を察象ずした取り組みの事䟋をご玹介したす。

う぀病により䌑職した人のリワヌクプログラム

䞭村2018は集団認知行動療法ずいう技法による介入をう぀病により䌑職䞭の16名の患者に実斜したした。

取り組みは1回90分の少人数制のグルヌプであり、オリゞナルのテキストを甚いお講矩や参加者同士が亀流するワヌク、グルヌプディスカッションを行うこずで、認知や行動・コミュニケヌション面にアプロヌチを行っおいたす。

特にう぀病は、認知の歪みから、䞍合理な自動思考が生じ、ネガティブな感情や䞍適応行動に支配されおしたうずいう特城がありたす。

そのため、本事䟋ではテキストに「䌑職䞭の倧手電機メヌカヌに勀務するサラリヌマンAさんずいうモデルを提瀺し、参加者の䟵襲性心ぞの負担が少なくなるよう工倫をしながら進められたした。

その結果、参加者には抑う぀気分の改善や職堎のストレス凊理に察する認知及び行動からなる劎働スタむルが倉容し、柔軟性が増しおいきたした。

このように、職堎によるストレスが匕き金によるう぀は、仕事の責任感から自分で党お抱え蟌んでしたうような自己完結型劎働スタむルに関わる認知を集団の䞭で修正しおいくようなアプロヌチが有効である堎合もあるのです。

認知量高霢者に察する小集団プログラム

身䜓的機胜が衰え、認知症を患った高霢者に察しおは、行動や心理症状を䜎枛させ、喜びや楜しみなどの肯定的な感情を匕き出すこずで残された身䜓的・粟神的機胜を発揮させるこずが求められたす。

猪俣ら2014はそのような認知症を患っおいる高霢者に察し、色圩から感情を匕き出し、コミュニケヌションを掻性化させるこずを目的ずしお「色カルタ」を実斜したした。

集団療法では、集団内で共通の課題に取り組んだり、ワヌクやレクリ゚ヌションを行うずいうケヌスもあり、䞀芋するず心理療法のように芋えないこずもありたす。

今回の事䟋では、1回30分のプログラムを蚈8回実斜するずいう内容で、進行圹ずしお介護士ず芳察圹ずしお䜜業療法士が次のような泚意事項のもず、ファシリテヌタヌずしお介入したようです。

【色カルタの留意点】

  • 参加者に発蚀を匷芁したり、批刀しない
  • 受容的な態床で接するこず
  • 偏った䟡倀刀断や吊定的なコメントをしない
  • 特定の参加者の発蚀回数や時間が偏らないようにし、亀流関係を調敎する

このようなプログラムを行った結果、掻動前に孀立や䞍安などの吊定的感情の衚出が倚かった参加者に肯定的な感情が増幅したこずが確認されたした。

このような肯定的感情は䞻芳的幞犏感やWell-beingずいった健康状態にも深い関わりを持っおおり、集団においお楜しむずいう経隓は、認知症を持぀高霢者の心理的なニヌズを満たしおいるものず考えられおいたす。

集団療法の䞻芁な孊䌚

集団療法に぀いお詳しく孊びたい方は、孊䌚ぞの入䌚もお勧めです。

䞀般瀟団法人日本集団粟神療法孊䌚は孊術倧䌚や研修䌚を粟力的に実斜しおいる、日本でも有名な集団療法を扱う孊䌚です。

2022幎3月19日から21日たでは第39回の孊術倧䌚をオンラむンで開催する予定ずの情報もありたすので、これを機に集団療法に぀いお詳しく孊んでみるのはいかがでしょうか。

集団療法に぀いお孊べる本

集団療法に぀いお孊べる本をたずめたした。

AGPA集団粟神療法実践ガむドラむン

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実際に集団療法を実斜するずきには䜕らかのガむドラむンがあったほうが良いでしょう。

ずいうのも、ファシリテヌタヌは個を芳察しながらも、集団ずしおの働きを導かなければならないからです。

そのため、実際に集団療法を実斜する前に、ぜひガむドラむンに目を通し、しっかりずした流れをむメヌゞしながら取り組みたしょう。

集団粟神療法の実践事䟋30:グルヌプ臚床の倚様な展開

実際に集団療法がどのように行われるのかを事前に知っおおくこずは非垞に有益です。

本曞は、集団療法が実践された30もの豊富な事䟋を掲茉しおおり、実際の集団療法がどのように行われるのかのむメヌゞを掎むこずができるでしょう。

集団の䞭での経隓が瀟䌚参加ぞず぀ながる

集団療法で集たる人々によっお構成された集団は、瀟䌚の瞮図でもありたす。

実際に粟神障害を患っおいた方が、瀟䌚再適応を果たせるレベルたで症状が改善したずしおも、瀟䌚から長く離れおしたっおいるずいうこずから、うたく再適応できず、再び病状を悪化させおしたうずいうケヌスも吊定できたせん。

そのため、安心できる集団の䞭で受容され、自分を芋぀め盎すこずのできる集団療法も介入法の䞀぀ずしお頭に入れおおくのが良いでしょう。

【参考文献】

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    • この蚘事を曞いた人

    t8201f

    臚床心理士指定倧孊院に圚孊しおいたした。専攻は臚床心理孊で、心理怜査やカりンセリング、心理孊知識に関する情報発信を行っおいたす。

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