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夢分析とは?フロイトやユングが提唱した無意識からのメッセージ

寝ている間に夢を見ていた気はするけれど、内容は覚えていないということはよくあります。夢分析では、夢には意味があると考えます。代表的な夢分析はフロイトやユングによるものです。今回は、フロイトとユングの夢分析の特徴や両者の違い、やり方を学んでいきます。また、夢分析について学べる本もご紹介します。

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夢分析とは

まずは、夢分析とはどのようなものなのかを見ていきましょう。

夢分析の意味と定義

夢分析では、夢の中で生じた事には夢を見た人の無意識があらわれていると考えます。

そして、患者が見た夢についての意味を探る事で、患者の病についての理解を深めようとするものです。

フロイトとユングの夢分析

夢の持つ心理的な意味について初めに記述を試みたのは、オーストリアの精神医学者であったフロイトでした。1900年に出版された「夢判断」という著書が有名です。

当初あまり認められなかった「夢判断」ですが、この本に感銘を受けたのがユングでした。

フロイトもユングも、夢には無意識が表現されると考えた点では一致していますが、その分析方法は違いました。

以降で、フロイトとユングの夢分析についてそれぞれ見ていきましょう。

フロイトの夢分析

まずは、フロイトの夢分析について見ていきます。

フロイトの夢分析の特徴

これまで、神秘的で不可解なものとして扱われていた夢に対して、心理的な意義がある事を初めて明らかにしたのはフロイトでした。

フロイトは1900年に「夢判断」を出版しました。その中で、フロイトは次のように述べています。

夢は無意味でも不合理でもない。頭の一部が眠り、他の一部が動き始めて生じるものでもない。夢は一人前の心の働きであり、我々の望みを叶えようとしている。

このように、フロイトは、夢は抑圧された願望を満たそうとするものであると考えました。

「夢判断」では、フロイトが自分の見た夢について自由連想法により分析を行い、「望みを叶える」夢の目的を明らかにしようとしています。

夢の仕事

幼い子どもの場合には、食べたい物や欲しいおもちゃなど、夢が「望みを叶える」事が分かりやすいのに対し、大人の夢はすぐには分からない場合が多いです。

フロイトは、これは夢が無意識を意識が許容できるものに変換しているためだと考え、このような夢の操作を夢の仕事と呼びました。

夢の仕事には、例えば、「圧縮」や「置き換え」があります。

圧縮

夢の内容そのものは少なくても、そこから連想される意味は膨大な量になる事から、夢は無意識の略図であるとしています。

置き換え

無意識が意識に許容される内容に置き換わった理、抽象的な表現が具体的な表現に置き換わったりするものです。

ユングの夢分析

次に、ユングの夢分析について見ていきます。

ユングの夢分析の特徴

ユングは夢を治療における重要な手段と考えました。フロイトと同様、ユングも夢には無意識が反映されると考えましたが、その扱い方は異なりました。

夢は、意識と無意識の相互作用によって形成されるため、まずは夢を見た人の意識の状態を知る事が大切だと考えたのです。

見た夢からその意味を一義的に決めつけるのではなく、まずはその日の出来事や、考えた事や感じた事を聞いていきます。そして、夢の内容から連想される事を多方面から聞いていくのです。

また、ただ1回の夢だけではなく、何回かにわたって記録していくことでテーマの進行を見る分析が行われると考えました。

いずれにしても、ユングの夢分析では、分析家と被分析者の共同作業が重要となります。

ユングが大切にした考えは、次の言葉に表れています。

夢を解釈する人に対して、あまり急いで解釈しないように、大きな声でこう呼びかけてやりたいくらいなのです。「とにかく理解しようとはしないように」と。

夢の機能

ユングは、夢が意識に対して持つ最大の意義は補償作用だとしています。このようなユングの見解を参考としつつ、河合(1994)は夢の機能を次のように分類しています。

  1. 単純な補償 意識の態度を補償したり、意識の足りないところを補うような機能です。
  2.  展望的な夢 夢が将来へのプランを提示してくれるような機能です。心理療法の初期に見られる初回夢は、フロイトも重視しています。
  3.  逆補償 高くなりすぎている意識を引き下げようとする機能です。
  4. 無意識の心的過程の描写 意識の力が弱まっている時に、無意識過程そのものが夢に現れる場合です。精神障害を抱えていたり、病気や疲労の時に認められます。
  5. 予知夢 その後に起きる事を予見するような夢です。河合(1994) は、息子の死とその場に居合わせた人の名前まで予見した例を挙げています。
  6.  反復夢 現実にあった出来事がそのまま夢に出てくるものです。現実との違いに着目すると、補償夢であると判明する場合が多いとされています。

夢分析について学べる本

夢分析について学べる本をご紹介します。

豊富なイラストで分かりやすい「図解雑学 ユング心理学」

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ユング心理学の全体像を理解する事は、夢分析の理解に役立ちます。

本書は左側に文章、右側にイラストという見開き2ページで1つのテーマを扱っています。そのため、興味を持ったページを気軽に拾い読みすることができます。

夢分析については、第3章「病者との対話」の中で5つのテーマに渡って解説されています。

ユング心理学に初めて出会う方が気軽に読める1冊です。

ユング心理学の第一人者河合隼雄氏による入門書「ユング心理学者入門」

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ユング心理学の専門書は難解なものが多い中、河合隼雄氏はその世界をわかりやすく解説しておられます。

本書は、タイプ論、普遍的無意識等と共にユング心理学の重要なテーマである夢分析についてわかりやすく解説されています。

夢の具体例を挙げながら解説されているので、夢分析を実践的に学ぶことができます。

フロイトの夢判断を新訳で読む「新訳 夢判断」

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長く読まれ続けてきたフロイトの「夢判断」。精神科医である著者が、現代人の私達が読みやすいように訳してくれています。

フロイト自身の夢、知人の夢、患者の夢など、具体的な夢を元にフロイトが分析をしていきます。夢の仕事については第6章に詳しく記載されています。

「どうしてあんな夢を見たのだろう」という疑問への答えが見つかるかもしれません。

夢が教えてくれること

フロイトが「夢判断」を書いてから120年以上が過ぎた現在でも、まだ夢には謎の部分が多くあります。夢分析をしてみたいけれど、夢を覚えていないという方もいらっしゃるかもしれません。

そのような場合は、少しでも覚えていた日に記録をする習慣をつけていくと、次第に思い出しやすくなります。

一見嫌な夢であっても、その続きを想像したり、不快な対象の立場に自分を置いてみたりすると、新しい気づきが生まれて来ることもあります。

夢に意味がないと思えばそれまで。ですが、その夢の自分にとっての意味を何か引き出そうとする人にだけ、見えてくるものもあります。

フロイトやユングの夢分析を参考にしつつ、自分なりの夢分析をしてみることで、深層心理を味方につけられたら良いですね。

参考文献

C・G・ユング著,横山寛監訳,大塚紳一郎訳(2016). ユング 夢分析論,みすず書房

福島哲夫(2002). 図解雑学 ユング心理学, ナツメ社

フロイト著,大平健編訳(2019). 新潮モダン・クラシックス 新訳 夢判断, 新潮社

河合隼雄(1994). 河合隼雄著作集第1巻 ユング心理学入門, 岩波書店

 

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    こころ

     臨床心理学・実験心理学等を学んだ後、心理カウンセラーとして勤務。現在はライターとして活動中。

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