今回は、スポーツ心理学を学びたい方におすすめの本をご紹介していきます。スポーツ心理学に興味のある初心者にも読みやすい本から、スポーツ心理学の歴史や理論を学べる本を挙げています。さらに、スポーツだけではなくビジネスや受験など日常生活にも役立つメンタルトレーニングについて学べる本もご紹介します。
スポーツ心理学とは
スケート選手、水泳選手など、多くのアスリートが試合前に音楽を聞いている光景をよく見ます。これもスポーツ心理学の実践例です。
スポーツ心理学は、スポーツや運動を心理学的に分析し、より効果的な活動に活かそうとするものです。心理学における発達、学習、動機づけ、社会心理、臨床心理といった多様な分野と関連があります。対象も、アスリート、指導者、日常的に運動を行う人など様々です。
さらには、スポーツ心理学で効果が認められた方法を、ビジネスなどの日常の活動に適用する事により、パフォーマンスの向上に役立てる事も可能です。
初心者におすすめなスポーツ心理学の入門書3選
まずは、初心者におすすめなスポーツ心理学の入門書をご紹介します。
アスリートの言葉で強くなる「弱いメンタルに劇的に効く アスリートの言葉」
日本スポーツメンタルコーチ協会代表理事である著者が、一流のアスリートの言葉から、逆境の乗り越え方をアドバイスしています。
本書の構成は、
- Chapter1「スタートの不安を励ます言葉」
- Chapter2「挫けそうな心に効く言葉」
- Chapter3「生まれ変わるための言葉」
- Chapter4「夢は続く、終わらない」
アスリートの言葉を通して、自分の弱さを強さに変えたい方におすすめの1冊です。
爆笑問題がスポーツ心理学を体験する「爆笑問題のニッポンの教養 スポ根なんていらない? スポーツ心理学」
爆笑問題の2人が東海大学のスポーツ心理学者を訪ね、リラクゼーション法や心理的ウオーミングアップ法を体験します。軽快なトークでゾーンやメンタルトレーニング、やる気を高める方法などについて学んでいきます。
インタビュー形式なので読みやすく、スポーツ心理学の世界に気軽に触れてみたい方におすすめの1冊です。
スポーツ心理学の全体像がつかめる入門書「やわらかアカデミズム<わかる>シリーズ よくわかるスポーツ心理学」
スポーツ心理学の入門書がメンタルトレーニングに偏りがちなところ、本書はスポーツ心理学の全体を網羅しています。各分野の研究者が分かりやすく解説をしていますが、枠外には元となる論文などが載っているので、より学びを深める事も可能です。
本書の構成は、
- I「スポーツと発達」
- II「運動の制御機構」
- III「運動の学習と指導」
- Ⅳ「スポーツにおける動機づけ」
- Ⅴ「スポーツの社会心理」
- Ⅳ「運動による健康の増進」
- Ⅶ「競技心理」
- Ⅷ「メンタルトレーニング」
- Ⅸ「スポーツ臨床」
大判で図表も適宜載っており、表現も分かりやすいため、スポーツ心理学の全体を理解したい初学者におすすめの1冊です。
スポーツ心理学の歴史・理論が分かりやすく学べる本・教科書3選
次に、スポーツ心理学の歴史・理論が分かりやすく学べる本をご紹介します。
スポーツ心理学の歴史からスポーツの心理臨床まで「はじめて学ぶ スポーツ心理学12講」
スポーツ心理学の歴史や研究方法、スポーツ選手とパーソナリティ、チームの向上、メンタルトレーニング、こころのとらえ方等、幅広く学べる教科書です。
本書の構成は、以下のようになっています。
- 1講「心理学からスポーツ心理学へ」
- 2講「スポーツ心理学の研究法」
- 3講「スポーツと発達」
- 4講「スポーツと学習」
- 5講「スポーツとパーソナリティ
- 6講「スポーツと動機づけ」
- 7講「スポーツと社会心理学」
- 8講「競技の心理」
- 9講「メンタルトレーニング」
- 10講「心理臨床技法のスポーツへの応用」
- 11講「健康スポーツの心理」
- 12講「スポーツと臨床」
日本女子体育大学の講義が学べる「基礎から学ぶスポーツの心理学」
日本女子体育大学教授である著者が、学部学生に行なっている「スポーツ心理学」の講義をまとめたものです。スポーツ心理学の基礎的事項が分かりやすく書かれています。
本書の構成は、
- 第1章「心理学概説」
- 第2章「スポーツと不安、ストレス」
- 第3章「スポーツと動機づけ」
- 第4章「運動技術・技能の学習」
- 第5章「運動嫌い、学習性無力感、バーンアウト」
- 第6章「スポーツとジェンダー」
- 第7章「スポーツとライフスキル」
現在スポーツ心理学を学んでいる方、これから学ぼうとされている方、スポーツの指導を行っている方にも役立つ1冊です。
アスリートを全人的に支えるために「アスリートのメンタルは強いのか? スポーツ心理学の最先端から考える」
著者は、アスリートのメンタルは実はセンシティブだと言います。だからこそ、1人の人間として全人的にサポートをしていく必要があるのだと述べています。
最新のスポーツ心理学の知識を元に、アスリートをどのようにして守り育んで行けば良いのかが書かれた本です。
【初心者向け】行動心理学のおすすめ本10選:しぐさから学ぶビジネス・恋愛への応用
相手の心が分かったら良いのに、と思った事はありませんか?心は目に見えないので、私達は想像するしかありません。けれども行動は、目に見えて分かりやすいものです。目に見える行動やしぐさによって心を理解しよう ...
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メンタル・トレーニングについて学べる本4選
最後に、メンタル・トレーニングについて学べる本をご紹介します。
大判&カラフルな図解で分かりやすい「スポーツメンタルの科学」
医学博士、メンタルコーチ、ミュージシャンによる、メンタルを理解しコントロールする方法が書かれた本です。
Chapter1でメンタルの基礎知識を学び、Chapter2でメンタルの特性を学びます。Chapter3でメンタルをコントロールするスキルを学び、Chapter4でリズムや音がパフォーマンスに与える影響を学びます。
カラフルな写真や図解で、楽しみながらメンタルのコントロールを身につけて行く事ができる1冊です。
分かりやすく実践しやすい「奇跡を呼ぶ!無敵のスポーツメンタル どんなスポーツシーンでも成果をあげるメンタルトレーニング」
ロンドンオリンピック銀メダリスト平野早矢香選手のメンタルトレーナーでもあり、1万人以上のメンタルトレーニングの指導を行ってきた著書による本です。
練習の成果を上げ、本番で緊張しても実力を最大限に発揮する事は、スポーツの場面でも日常生活でも望まれる事です。
本書の構成は、
- 第1章「上手くなりたいならビリーフを変えろ!」
- 第2章「緊張しても実力を発揮する方法」
- 第3章「やる気スイッチを手に入れる」
- 第4章「悩んだときの乗り越え方」
- 第5章「アスリート瞑想」
- 第6章「心を奮い立たせる名言」
強くなりたい人のための、分かりやすいメンタルトレーニングの入門書です。
マンガで学ぶメンタル・トレーニング「最高の教師がマンガで教える勝利のメンタル」
陸上男子400メートルリレーで金メダルを狙う高校生アスリート達を、「勝利の女神」と称えられるメンタルコーチゆりかはどのように導いて行くのか。
著者は、体育教師として陸上競技部を7年間で13回の日本一に導き、 その育成手法は「原田メソッド」として多くの企業の注目を集めてきました。
本書はマンガで原田式メンタルトレーニングの8つのメンタルスキル「目的・目標設定」「セルフコントロール」「イメージトレーニング」「集中力」「プラス思考」「セルフトーク」「コミュニケーション」「予測と準備」を学ぶ事ができます。
志望校合格に役立つメンタル・トレーニング「本番でいつもの実力を発揮できる受験合格のためのメンタルトレーニング」
予備校講師とメンタルトレーナーの共著により、受験のプレッシャーや緊張を克服するメンタルの鍛え方、やる気を高める方法などを解説した本です。
本書の構成は、
- STEP01「これからの入試とメンタルトレーニング」
- STEP02「自分を見つめよう、受験のための自己分析術」
- STEP03「やる気を高めよう、受験のための目標設定」
- STEP04「僕・私の取り扱い説明書(トリセツ)、受験のためのメンタルコントロール術
スランプに陥ったり、本番で実力を発揮したい受験生やその親御さんが親子で実践できるワークシートもあります。
スポーツ心理学を活かす
今回は、スポーツ心理学の本をご紹介してきました。読んでみたいと思う本に出会えたでしょうか?
自分の体を思い通りに動かすためには、自分の体の事を良く知る事が必要です。体は心と密接につながっていますから、スポーツを行うには自分の心と対話する事が必要となるのです。
また、スポーツ心理学の目標の1つである「パフォーマンスを高める方法を身につける」という事は、日常生活でも役に立つ場面が多くあります。
転んでしまった後でも気持ちを立て直して最後まで滑り切るフィギュアスケート選手、怪我をしてメンバーから外されてもリハビリをして復帰する野球選手など、アスリートは私達に勇気を与えてくれます。
けれどもそれは、アスリートだけが特別強いメンタルを持っているからではありません。
スポーツ心理学を学ぶ事によって、自分の体と心を思い通りにコントロールし、困難な状況を乗り越えていく方法を誰でも身につけて行くことができるでしょう。