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カイン・コンプレックスとは?意味や由来と克服法をわかりやすく解説

カイン・コンプレックスとは、兄弟間の強い敵対感情のことを指します。カイン・コンプレックスの意味、カウンセリングなどの克服方法、カイン・コンプレックスが描かれた映画について、わかりやすく解説します。最後に、カイン・コンプレックスについて学べる本についてもご紹介していきます。

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カイン・コンプレックスとは

カイン・コンプレックスとはどのようなものなのでしょうか。

カイン・コンプレックスの意味と定義

ユングは、意識に受け入れられないこだわりをコンプレックスと名付けました。

その中で、兄弟姉妹間における強い敵対感情をカイン・コンプレックスと言います。

カイン・コンプレックスの由来

カイン・コンプレックスの由来は、旧約聖書のカインとアベルという兄弟のお話にあります。

兄カインは土を耕し、弟アベルは羊を飼い、仲良く暮らしていました。

ある時神への捧げ物としてカインは土の産物を、アベルは羊を供えました。ところが、神はカインとその産物のみを良しとし、アベルとその産物は顧みられませんでした。

嫉妬に駆られたアベルは、兄カインを野原に連れ出し殺してしまいました。そして神の怒りを買って追放され、エデンの東に住む事になったのです。

カイン・コンプレックスの反応と克服

カイン・コンプレックスの反応と克服について見ていきましょう。

カイン・コンプレックスの反応

カイン・コンプレックスでは、親からの愛情や評価を、他の兄弟よりも自分が一番多く得なければならないとして、他の兄弟に強い敵対感情を持ちます。

これは、兄弟だけではなく、職場の同僚や先輩・後輩、クラスメイトなどとの関係でも生じます。

上司や教師からの愛情や評価を巡って、他の人に対して強い敵対感情を抱く事があります。

カイン・コンプレックスの克服

他のコンプレックス同様、カイン・コンプレックスも全てを克服しなければならないわけではありません。

けれどもそれがあまりにも強く、学校に行けない、人と会うのが怖いなど、日常生活が苦しくなる程だとしたら、克服する試みをした方が良いのかもしれません。

カイン・コンプレックスの克服の第一歩は、まずはその存在に気づく事です。

相手に対して、自分でも不思議なくらいに非難したい気持ちや自分が上に立ちたい気持ちを持った時、自分が何を欲しがっているのか、何を得たいのかを想像してみると良いでしょう。

とはいえ、無意識のこだわりを意識化する作業は難しい上リスクも伴うので、カウンセラーのサポートを借りながら進めていく方が安全かつ有効的な場合もあるでしょう。

カイン・コンプレックスを描いた映画

カイン・コンプレックスを描いた映画としては、ジェームズ・ディーン主演の「エデンの東」が有名です。

「エデンの東」は、ノーベル賞作家であるスタインベックの同名小説が原作となっています。

旧約聖書のカインとアベルの物語をベースとして、第一次世界大戦下のカリフォルニア州サーリナスでの青年とその兄、父との愛憎が描かれています。

カイン・コンプレックスについて学べる本

カイン・コンプレックスについて学べる本をご紹介します。

河合隼雄氏の代表作「無意識の構造」

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本書は、ユング派の心理療法家である河合隼雄氏によるロングベストセラーです。

私たちの意識の知らない所で、感情に強く影響を受けている領域があります。そのような無意識がどのような働きを持っているのか、無意識へのアプローチを具体的な事例を挙げながら解説しています。

また、無意識で作られたイメージがどのように現れるのか、自己実現における無意識の役割についても書かれています。

カイン・コンプレックスについては、I 無意識へのアプローチ 2コンプレックスの中で述べられています。

イラストと文章で分かりやすい「図解雑学 ユング心理学」

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見開き2ページで1つのテーマを分かりやすくまとめた、ナツメ社の図解雑学シリーズです。本書を読むとユング心理学の全体像を把握する事ができます。

カイン・コンプレックスについては、第1章「対話のためのユング心理学」の中に記載されています。

前後のコンプレックスについての解説と合わせて読むと、より理解がしやすいでしょう。

カイン・コンプレックスをどう使うか

ユングは、意識と無意識、又は対立する無意識同士が対話をしながら、より自分らしさを育てていく事が大切だと考えました。

カイン・コンプレックスを持っている人は、ライバルとして競い合う人がいるからこそ、成長してこられたと思える事もあるのではないでしょうか。

また、自分が強い敵対心を持つ相手を知る事によって、自己理解を深める事もできるかもしれません。

誰かを批判したり責めたりしたくなった時こそ、自分のなかのカイン・コンプレックスに気づき、自分が成長するチャンスなのだと言えるでしょう。

参考文献

福島哲夫(2002) 図解雑学 ユング心理学 ナツメ社

河合隼雄(2017) 無意識の構造 改版 中央公論新社

長尾剛(2017) 心のトリセツ「ユング心理学」がよくわかる本 PHP研究所

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    • この記事を書いた人

    こころ

     臨床心理学・実験心理学等を学んだ後、心理カウンセラーとして勤務。現在はライターとして活動中。

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