日常生活への応用

人付き合いが苦手な人の特徴とは?原因や克服方法、関連する病気・障害について心理学の視点から解説

学生生活や仕事をしていると多くの人と知り合いますよね。しかし、中にはそのような人付き合いが苦手だという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は人付き合いが苦手な人の特徴やその原因、克服方法や関連する病気・障害について解説します。

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人付き合いが苦手な人の特徴

人付き合いが苦手な人にはどのような特徴があるのでしょうか。

ご自身に当てはまるものがないか見てみましょう。

自分に自信がない

人と接することで、相手がどのような人なのかを知っていく一方で、自分の内面も相手に知られていくことになります。

自分に自信を持つことが出来なければ、自分のことを知られてしまうことに抵抗感が出てきても不思議ではありません。

傷つくことが怖い

他者を完全に理解することは難しいでしょう。

そのため、相手がどのような人物なのか、どのようなことを考えているのか、何が好きで、何が嫌いなのかがあまりにもわからない状況では、相手に傷つけられるもしくは相手を不快な思いにさせてしまいかえって自分が傷ついてしまうかもしれません。

そのため、傷つくことが無いよう自分を守るために人付き合いを避けているのかもしれません。

空気を読むのが苦手

人間のコミュニケーションは言語を介して行われるものだけでなく、非言語的なものも存在します。

そのような非言語的なコミュニケーションが苦手な場合、場の雰囲気を察したり、いわゆる「空気を読む」ことを面倒だと感じるかもしれません。

また、空気が読めないと、周囲から接しづらい人と思われてしまい、ますます人付き合いが面倒になってしまうかもしれません。

気を使いすぎてしまう

逆に、空気を読みすぎてしまう人にも人付き合いが苦手だと感じてしまうかもしれません。

これは、相手のこころを考えてしまいすぎるがあまり、気分を害さないようにするため自分からコミュニケーションを取らないようにしてしまいます。

また、そうして気を使いすぎてしまうことで、自分も相手も疲れてしまうため、親密な人間関係を築くことが苦手と感じたり、面倒だと思うかもしれません。

目を合わせるのが怖い

他者と向き合って会話をするときには、アイコンタクトを取ることが多いでしょう。

しかし、世の中には相手と目を合わせるのが怖い、苦手だという人が一定数います。

目を見れないことでますます相手の考えていることや気分などの情報を得ることが困難となります医、相手も自分が何を考えているのかを読み取りづらくなりますので、深い人間関係を気付くことが難しくなるかもしれません。

一人でいるのが好き

そもそも、一人でいることが好きな人もいます。

例えば、会社の昼休憩で食事を一人でとるのが好き、休日にはソロキャンプが趣味などの人などがいるでしょう。

そのような人は、そもそも人と一緒に何かすることに興味が湧かないため、一人で好きな時間を過ごせる気楽さの邪魔になると煩わしく感じるかもしれません。

人付き合いが苦手な原因

それでは人付き合いが苦手と感じるようになった原因としてはどのようなものがあるのでしょうか。

トラウマとなるような経験がある

信頼していた人に裏切られた過去がある・いじめを受けたことがあるなど人間関係のトラブルに巻き込まれたことが原因で人間不信に陥り、人と関わることが怖くなることがあります。

あまりにも辛いトラウマとなるような経験から自信を失ってしまい、もう二度とあんな思いはしたくないと考え、人と関わることを避けてしまうのです。

シャイな性格

もしかしたらシャイな性格なのかもしれません。

心理学においてシャイな性格は「シャイネス」という概念として捉えられています。

シャイネス研究の第一人者であるジンバルドーもシャイネスはあいまいな概念であると述べているように、様々な定義が存在する曖昧な概念ですが、主に次の2つの立場から捉えられています。

【性格研究の立場】

生まれつき、他者に対して容易に興奮する過敏な神経システムを持っているために、生得的にシャイな性格となっている。

【社会学の立場】

対人関係において、自らの行動の結果が否定的なものであれば自信を失い、自らのコミュニケーションが引き起こす結果が否定的なものになるという誤った信念を抱くという学習理論に基づいた立場。

一度自らのコミュニケーションに否定的な信念を持てば、人と関わる際の自己評価が下がり、人と関わる場面に対してネガティブな感情や緊張を感じる。

そして、発汗や心拍数増加などの身体症状を自分が感じることで、対人場面を苦手としていることが改めて自覚され、さらに自己評価が下がるという悪循環に陥る。

この結果として、対人場面を避けるような回避行動が促され、この回避により対人スキルを獲得する機会が失われることからさらに人付き合いが苦手となる。

 

シャイネスに関し、どちらの立場の主張が正しいのかについては答えが出ていませんが、シャイな性格は人付き合いな苦手という意識や行動と深いかかわりを持っていることが推察されます。

自己愛(ナルシズム)が強い

自己愛(ナルシズム)とは、自分に対する愛、自分を好きでいることです。

一般的な用語としてナルシストという言葉がありますが、そのような人だけに限らず、私たちは皆自己愛を持っています。

そして、多くの人が「ありのままの自分を受け入れ、好きでいる」という健全な自己愛を備えているでしょう。

しかし、中には次のような未熟で偏った自己愛が強い人もいます。

【誇大型自己愛】

’自己顕示的で、自分を大きくみせ、注目を集めようとする。自分は素晴らしい人間だという自信にあふれた誇大性を持ち、他者の気持ちに共感することがなく無関心で傲慢な自己愛。

【過敏型自己愛】

周囲の人からの評価に敏感であり、内気で傷つきやすく、対人恐怖的な特徴を示す自己愛。

特に過敏型自己愛に関しては、人からの評価を気にし、人と交流することを怖がる傾向がみられるため、過敏型自己愛が強い人は人付き合いが苦手と感じられることがあるかもしれません。

人付き合いの苦手意識を克服するための方法

人付き合いが苦手という人はどのようなことに取り組めばよいのでしょうか。

笑顔を意識してみる

人付き合いが苦手だと感じている人の中には、みんなを盛り上げなきゃ、何か面白い話をしなくてはと思い込んでいる人がいます。

しかし、コミュニケーションは話す人と聞く人がいるからこそ成り立つのであり、常に自分が話していなくてはいけないわけではありません。

そのため、相手が話しかけやすい笑顔で接することにより、相手も話しかけやすく、輪の中になじみやすくなるでしょう。

挨拶をする

意外と多くの人が出来ていないのが挨拶です。

人間の第一印象は数秒で決まってしまうと言われており、出会ったときに笑顔でしっかりとした挨拶ができるかどうかは第一印象を大きく左右するでしょう。

あいづちを打つ

聞き上手であるためには、相手が話しやすいよう適切なタイミングであいづちを打つことが重要です。

あいづちには、相手の話をちゃんと聞いているというシグナルであるため、相手はより話しやすくなり会話が弾むでしょう。

会話を広げるために無理に質問を考えるとかえって気まずくなってしまうかもしれないので、あいづちを打ち、相手の言葉をおうむ返しするなど、相手が話しやすいような空気を作り出しましょう。

目線を少しずらす

人の話を聞くときは目を見なさいと教えられている人も多いかもしれません。

目は口ほどに物を言うという言葉もあるように、確かにアイコンタクトは非言語的なコミュニケーションの中でも重要度が高いでしょう。

しかし、目を合わせるのがどうしても苦手だという人もいます。

そのため、目を見つめるのではなく、相手の鼻先や眉毛など目から少し離れた場所を見るように意識してみるのはいかがでしょうか。

こうすることで、相手は目を見て話をしてくれているという感覚を持つことが出来ますし、自分も過度なプレッシャーを感じることもないでしょう。

人付き合いの苦手意識と関連する病気・障害

人付き合いの苦手意識と関連している病気や障害としてはどのようなものがあるのでしょうか。

回避性パーソナリティ障害

回避性パーソナリティ障害とは、重度の自意識過剰や不安の強さから人づきあいを避けてしまう性格により社会不適応を起こす、パーソナリティ障害の1種です。

しかし、他者との関わりを避ける一方で、他者から愛されたり、受け入れられることを本当は望んでいるため、理想と現実の間に生まれるギャップに苦しむこととなります。

社交不安障害

社交不安障害とは他者の中止を浴びる可能性のある社交場面に対し、著しい恐怖を感じ、実際にその場面に直面すると心拍数の増加、赤面、発汗などの身体症状を呈するとされる精神障害です。

有名な社交場面としては、人前に立ってスピーチをするなどが挙げられますが、この障害の中には雑談や良く知らない人と会うこと、食事をする場面を見られる会食などで上記の症状を呈することがあります。

そのため、症状が引き起こされることを恐れ、そのような場面を回避しようとするため、人付き合いが苦手であると言えます。

自閉スペクトラム症の傾向

自閉スペクトラム症とは、次の3つの障害を特徴とする発達障害です。

  • 社会的相互作用の障害(非言語的コミュニケーション)
  • コミュニケーションの障害(言語的コミュニケーション)
  • 想像性の障害

この3つの特徴は、コミュニケーションの苦手さと興味関心の偏りに影響します。

そのため、対人交流において、人と目を合わせるという非言語的なコミュニケーションが苦手、うまく自分の気持ちを言葉にできない、人と関わることに関心が薄いなどの症状がみられることがあり、これが人付き合いが苦手という気持ちに繋がっている可能性があります。

人付き合いが苦手な人へおすすめの本

人付き合いが苦手な人へおすすめの本をまとめました。

まわりの人と「うまく付き合えない」と感じたら読む本

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言葉の役割は、他者に自分の思いを伝えるというだけではありません。人付き合いに疲れてしまったときは、他者と話す気にもなれないでしょう。

そのような時こそ、自分に優しくなれる魔法の言葉をかけてあげるのも良いかもしれませんね。

近すぎず、遠すぎず。 他人に振り回されない人付き合いの極意

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全ての人間関係での距離感は常に一定とは限りません。それぞれの人には心地よい対人関係の距離感があり、その距離感は自分で決めてよいのです。

禅の考えに基づいた無理なく過ごせる距離感について書かれている本書で、他者に振り回される毎日から解放されませんか。

人付き合いが苦手ならできることから

人付き合いが苦手ということを否定する必要はありません。そのような特徴も大事なあなたの個性です。

無理のない範囲で人とのコミュニケーションをとることを心がけ、自分を大事にしましょう。

【参考文献】

  • 相川充(1998)『シャイネス低減に及ぼす社会的スキル訓練の効果に関する実験的検討』東京学芸大学紀要 第1部門 教育科学 (49), 39-49
  • 相澤直樹(2002)『自己愛的人格における誇大特性と過敏特性』教育心理学研究 50(2), 215-224
  • 菅原健介(1998)『シャイネスにおける対人不安傾向と対人消極傾向』性格心理学研究 7(1), 22-32

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    • この記事を書いた人

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    臨床心理士指定大学院に在学していました。専攻は臨床心理学で、心理検査やカウンセリング、心理学知識に関する情報発信を行っています。

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