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自尊感情(自尊心)とは?高める方法や測定方法|自尊心が低い人の特徴・原因とは

自尊感情(自尊心)とは、自己に対する評価的感情のことです。これが高いことで日常生活に多くのメリットがあり、逆に低いとデメリットが起こってきます。あなたの自尊感情は果たして高いのか、はたまた低いのか。実際に測定してみましょう。そして自尊感情が低い人はどの様にしたら高められるのかについてもご紹介していきます。

「自尊感情」や「自尊心」なんて言葉を聞いたこともある方は多いでしょう。もしかしたら「私知ってるから、この記事は読む必要ないな」なんて思われている方もいるのではないでしょうか。

しかし、どうでしょう。「自尊感情」と「自己愛」の違いはご存知でしょうか?さらに「自尊感情」と「自己肯定感」に違いはあるのでしょうか?自尊感情を測る方法はご存知でしょうか?自尊感情を高める方法は?

「自尊感情」という言葉を知らなかった方はもちろん、もう知っているという方も、ここで一度復習してみましょう。自尊感情の奥深さが分かるはずです。

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自尊感情とは

一般的にもよく聞く「自尊心」や「自尊感情」とは、厳密にはどういった意味なのでしょうか?また、ただ自分が好きであることや、「自己愛」とはいったい何が違うのでしょうか?「自己肯定感」の意味との違いは?自尊感情について、今一度、整理してみましょう。

自尊感情の意味・定義

「自尊感情」とは、自己に対する評価的感です。英語では「Self-esteem」と言います。自尊感情は自信の上位概念とされており、なにより時間的に変化していく認知である点に特徴があるでしょう。

例えば、自分の価値や能力を高く評価することを指し、肯定的に評価していれば自尊感情は高く、否定的に評価していれば自尊感情は低いと考えられます。

自尊感情の具体例

自尊感情が高いとは、具体的には以下の様な特徴を持っています。

・自分はこの世界にいても良い存在であり、価値のある存在であると認知している。

・自分は何か優れたものを持っており、他の人と同等かそれ以上に色々なことが出来ると自信を持っている。

・自分の人生は幸福に満ちていると楽観的に物事を考えることが出来る。

自尊感情と自己愛の違い

自尊感情とは、先に説明した通りです。一方で、「自己愛」とは何でしょうか。

「自己愛」とは、フロイト(Freud,S.)によって提唱された概念であり、自我に向けられたリビドーとされています。もう少し噛み砕いて説明します。フロイトは、人間の発達は主に性的な欲求によって起こるものであると考えました。ある程度大人になれば、私達の性的欲求の対象は主に異性に向けられ「異性愛」が主となります。しかしフロイトは、幼児期には、この性的欲求は自己に向くと考え、これを「自己愛」と呼びました。

つまり、「自尊感情」とは、自己に対する肯定的な評価である一方で、「自己愛」とは自己に対する性的欲求であるといった点に違いがあります。

自尊感情と自己肯定感の違い

「自尊感情」と「自己肯定感」は、どちらも英語表記では「Self-esteem」となり、ほとんど同じ意味として使われることが多いです。研究者によっても同義として扱っている者もいます。

しかし、やや厳密に言うと、自尊感情とは、①私は他者より秀でているとする「とても良い Very-good」と、②自分を認め受け入れられている「これで良い Good-enough」の二つに分けられます。(詳しくは次章を参照してください)

一方で、自己肯定感とは、「自分の存在そのものを認める」感覚であるとされています。つまり、「自己肯定感」は、「自尊感情」の特に、②「これで良い Good-enough」に注目した概念であると言えるでしょう。

自尊感情の測定方法

「俺は自尊感情高いから」「私は自己肯定感低いんだ」などと口にする人を見かけたことがあるという人も多いのではないでしょうか。この様に、自尊感情は測らずとも何となくは自分で自覚しているものかもしれません。しかし、客観的に自尊感情を測るとしたら、どの様な方法があるのでしょうか。

ローゼンバーグの自尊感情尺度

心理学者のローゼンバーグ(Rosenberg,M.)は1965年、自尊感情を「ひとつの特殊な対象、すなわち自己(The self)に対する肯定的または否定的な態度」と定義し、この自尊感情を測る尺度を開発しました。

さらにローゼンバーグは自尊感情を以下二つに分けました。

①個人が自分に「とても良い Very-good」感じる側面であり、他者に対する「優越感」や「自信」を表す。

②個人が自分は「これで良い Good-enough」と感じる側面であり「自己受容」を意味する。

ローゼンバーグは、特に②の「これで良い Good-enough」の側面を対象に、自尊感情を測定する尺度を開発しました。「自尊感情尺度」と呼ばれるこの尺度は、現在においても社会心理学領域では多用されており、1970年には、日本語版も開発されています。

自尊感情テストができるサイト

「客観的に自尊感情を測ってみたい気持ちはあるけど、学者の作った尺度まで使うのは大変そう」という一般向けの読者の方には、TEST.JPというサイトの自尊心チェックテストをおススメします。

無料で質問に答えるだけで、あなたの自尊感情を測ることが出来ます。この機会に、ぜひ一度測ってみてはいかがでしょうか。

自尊感情が低い人の特徴

自尊感情が低いとどのようなことが起こるのでしょうか。実は多くのデメリットがあります。自尊感情が多い人の特徴を整理してみましょう。

自尊感情の国際比較

ではまず自尊感情の国際比較について見ていきましょう。日本人は自尊感情が高いと思いますか?それとも低いと思いますか?

内閣府は、平成26年度版『子ども・若者白書』において、自尊感情(自己肯定感)の国際比較データを発表しています。

「あなたは自分自身に満足していますか?」という質問に対し、「そう思う」「どちらかというとそう思う」と答えた者の割合がアメリカ(86.0%)、イギリス(83.1%)、フランス(82.7%)だったのに対し、日本は45.8%と顕著に低いことが窺えます。

さらに、「あなたには長所がありますか?」という質問に対し、「そう思う」「どちらかというとそう思う」と答えた者の割合がアメリが(93.1%)、ドイツ(92.3%)、フランス(91.4%)であるのに対し、日本は68.9%とこちらも低くなっております。

よって日本人は、やはり自尊感情が低い国民であると言えるでしょう。

自尊感情が低くなる原因

イリノイ大学のチャプリン(Lan Nguyen Chaplin)とミネソタ大学のジョン(Deborah Roedder John)による2007年の研究では、幼児期に「唯物主義(Materiarism)」を示す子どもは、青年期以降に自己肯定感が低くなると示しています。つまり「物を持つこと」に拘りの強いと自尊感情が低くなると考えられます。

自尊感情が高い人は、「自分には価値がある」ということを十分に認識している為、物を持つ事に拘りは強くありません。一方で、自尊感情の低い人は、「自分には価値がない」と認識している為、何か持ち物で自分の価値を表現すると考えられます。こうした物への拘りが自尊感情の一つの引き金と言えるかもしれません。

自尊感情が低い人に見られる傾向

まず、前述した通り、自尊感情が低い人は「物に対するこだわりが強い」傾向が見られます。ブランド物の服やバック、腕時計を買ったり、高級な車に乗ったりと、自分に自信がないゆえに、自分の持ち物によって、自身の価値を高めようとする傾向があります。

さらに、自尊感情が低い人は「他者と比較する」傾向があります。特に他者と比較する場合に自分よりも悪い結果を得た人や不幸な人を比較対象に選び、「自分はあの人よりはまだましだ」と思うことで自尊感情を高める傾向にあります。

続いて、自尊感情が低い人は「有名な人との繋がりをアピールする」傾向にあります。「俺は有名人の○○と友達なんだぞ」「私は俳優の○○にTwitterをフォローされてるの」など、自分に自信がないゆえに、凄い人と繋がっているとアピールすることで、周りに価値がある人だと思われようとする傾向があります。

自尊感情が低いことによって生じる問題

自尊感情が低いことでうつ病の発症リスクや心理学的障害の可能性が高まることが一般的に言われています。さらに、自尊感情が低いことで日常生活にも問題が起こってきます。

兄井ら(2013)では、自尊感情が高い人に比べ、自尊感情が低い人は行動や発言に対し消極的であると示しています。子どもであれば授業中に手を挙げて発言する。大人であれば責任のあるプロジェクトに参加するといった、積極性が見られず、内気で回避的になり、挑戦をしなくなってしまうと考えられます。

自尊感情を高める方法

自尊感情を高めるにはどのような方法があるでしょうか?3つほどご紹介します。

得意分野を伸ばす

先にもご紹介した通り、日本人は特に「これが得意です」と言えない傾向にあります。自尊感情を形作る重要な概念の一つである得意分野を持ち、実感できるように伸ばしていくことで、自尊感情を高められると言えます。

全て完璧にする必要はありません。「これだけは誰よりも上手くできる」と仕事や家庭、学校や部活、どこでもどんなに小さいことでもいいので、何か得意分野を見つけて伸ばしてみましょう。

自分の所属するコミュニティを持つ

タジフェル(Tajfel,H.)とターナー(Turner,J.C.)は1896年に社会的アイデンティティ理論を提唱しました。この理論では「私はこの集団に所属している」という感覚が自尊感情と深く関連しているとされています。

よって、「私は○○学校の生徒だ」「私は○○会社の社員だ」という所属間を持ちましょう。さらに「○○と△△の友達グループに所属している」とプライベートでも所属するコミュニティを意識することで自尊感情が高まると考えられます。

積極的にチャレンジする

自尊感情を高める最も効果的な方法は「成功体験を積むこと」だとされています。しかし、外部からの強制でやらされる成功体験では自尊感情の高まりは余り望めません。

何か自分で計画し、積極的に「これをやろう」とチャレンジしてみましょう。こうした自己決定の下で得られた成功体験は何よりもあなたの自尊感情を高めてくれるはずです。

実生活における自尊感情の意義

実生活では自尊感情の高低によってどのようなことが起こっているのでしょうか。「教育」「ビジネス」「恋愛」の場面から自尊感情の意義について考えてみましょう。

教育

兄井ら(2013)で示されている通り、教育場面では子どもの積極性に自尊感情が大きく表れています。自尊感情の高い子どもは積極的に手を挙げて発言する。運動会では応援団員になるなどの行動が見られます。一方で、自尊感情の低い子どもは失敗が怖くなり、消極的な行動が目立ちます。

ビジネス

自尊感情の低いビジネスマンの特徴として「出世を嫌がる」などといった傾向も見られます。自尊感情が高い人は出世を目指しバリバリ仕事を頑張り、出世することでさらに自尊感情を高めます。一方で、自尊感情の低い人は、出世することで責任が増える事を怖れ、出世を望まない傾向にあります。

恋愛

ブリングル(Bringle, 1981)では、自尊感情が低い者ほど関係に対して良い期待を持てずに、嫉妬を喚起する状況を警戒する傾向にあると示している。つまり、自尊感情の低い者は、彼氏・彼女が浮気しているのではないかと疑い、警戒する傾向にあると言えます。俗に「メンへら」や「束縛が強い」とされる人も、自尊感情が低いのかもしれません。

自尊感情について学べる本

ここまで自尊感情について見てきましたが、これを機に「もっと知りたい」と思って頂けた方は、ぜひ以下の本を参考にしてみると良いかと思います。

自己肯定感の教科書(著)中島輝

一般向けに書かれた本であり、非常に読みやすいです。自尊感情・自己肯定感について全体的に理解を深めたいという方には必読の一冊でしょう。

現実は厳しい でも幸せになれる (著)Arbert Ellis(訳)斎藤勇

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これは自己啓発本です。しかし、ただの自己啓発本ではありません。

論理情動療法という世界的にトップレベルで有名な心理療法を開発したアルバート・エリスという大心理学者が書いた自己啓発本。

この本にある内容を実践していけば、あなたの自尊感情が高まることも間違いないかと思います。本当にオススメの一冊です。

「自己肯定感」を高める子育て(著)Daniel J. Siegel, Tina Payne Bryson(訳)桐谷知未

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自分が自尊感情や自己肯定感を高めたいと言うよりは、「子どもの自己肯定感を高めたい」と思っている方にオススメの一冊です。

自己肯定感を高める子育てについてUCLA医科大学教授と児童心理学者が分かり易く紹介してくれています。

自尊感情があなたの人生を左右する

ここまで読んで下さった方は、自尊感情の高低がどれほど人生を大きく左右するのかご理解いただけたのではないでしょうか?

自尊感情が低いことで精神疾患のリスクは高まり、年収が低くなるなどが証明されています。一方で自尊感情が高いことで、精神的に健康度が高まり、人生の幸福度が高まるとも示されています。

あなたの人生を大きく左右する自尊感情。出来るだけ高めたいと思った方は、ぜひ本記事で紹介した「自尊感情を高める方法」を実践してみて下さい。さらに高めて、幸福な人生を送りたい方はオススメの本をチェックしてみても良いでしょう。

あなたが自分は価値のある人間だと実感し、明日も幸福に笑えることを祈っております。

参考文献

・現実は厳しい でも幸せにはなれる. (2018). (著)アルバート・エリス. (訳)斎藤勇. 文響社.

・遠藤健治. 馬場靖子. 板垣瑠衣. (2011). 女子大学生の恋愛と自尊感情. 青山心理学研究. 第11巻. pp.49-62.

・神野雄.(2018). 青年の恋愛関係における嫉妬傾向は自尊感情に規定されうるか. ―自己愛観点からの検討. パーソナリティ研究. 第27巻. 第2号. 125-139.

・兄井彰. 須崎康甚. 横山正幸. (2013). 子どもの自尊感情と生活のあり方との関係についての研究. 日本生活体験学習学会誌. 第13号 43-50.

・一般社団法人 日本セルフえスティーム普及協会. https://www.self-esteem.or.jp/selfesteem/

・大学院入試問題分析チーム編集  (2002).日本編入学院企画. 臨床心理士指定大学院 心理学キーワード辞典. オクムラ書店.

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    • この記事を書いた人

    こっけ

    臨床心理学学科大学卒業後、臨床心理学研究科の大学院に在学。恋愛をテーマに研究。19歳で上級心理カウンセラー資格習得。20歳で心理学検定10領域全領域を合格し、心理学検定特一級を習得。

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